毎日の睡眠、しっかりとれていますか?
寝ているはずなのに元気が足りないと感じるときは「質の良い睡眠」が不足しているのかもしれません。
睡眠と食事には深い関係があり、健康も左右されます。
良い睡眠をとる為に、知っておくべき睡眠と食事の関係や食べ方についてご紹介します。
Contents
睡眠と食事の関係
朝食の食べ方を見直すことで、
規則的な食生活を作りやすくし、 体のリズムを整え、自然な良い睡眠につながります。
そして、バランスの良い食事も大切です。
良質な睡眠に欠かせない栄養素と、朝食や夕食の食べ方について見ていきましょう。
良質な睡眠に欠かせない5つの栄養
①たんぱく質
寝る前にたんぱく質を摂取することで、
筋肉量増加や疲労回復の効果を高めることができます。
~多く含まれる食品~
肉・魚・卵・チーズなど
②食物繊維
眠りにまつわるホルモンは腸で生成されるため、
腸内環境を良好にすると睡眠の質が上がると言われています。
~多く含まれる食品~
海藻類・キノコ・芋・豆・野菜・果物
③グリシン
睡眠の質を向上し、良質な睡眠に導いてくれる栄養素。
~多く含まれる食品~
海老・ホタテ など(魚介類)
④トリプトファン
快眠のために必要な”セロトニン”(別名:「幸せホルモン」)の元になる栄養素。
トリプトファンは体内では作られないので、食品から摂取しなければいけません。たんぱく質が多い食品に多く含まれています。
夜にはセロトニンが睡眠を促すメラトニンに変わり、ぐっすりと眠ることができます。
~多く含まれる食品~
肉類・魚類・豆類・乳製品 など
⑤ギャバ
ギャバはアミノ酸の一種。
脳や脊髄にある神経伝達物質背あり、興奮を抑えてリラックスさせる作用があります。
~多く含まれる食品~
トマトや発酵食品 など
朝食と睡眠
睡眠と覚醒にメリハリを生むことで、睡眠リズムが作られやすくなります。
その為には、まず朝食の取り方がカギになります。
朝は体温が低く、 脳が十分に機能できない状態です。
ですから脳を働かせるエネルギー(糖質)を 摂取し、体温を上げ、脳を働かせ、消化管の活動を促します。
食事のときに咀しゃくするあごの動きも脳の活性につながり、目覚めを良くします。
朝食におススメの栄養素
朝食には「トリプトファン」と「ビタミンB6」がおすすめ!
この二つの栄養素は、
睡眠をつかさどるホルモン“メラトニン”の素となる栄養素です。
朝食でバランス良くとると、
14~16時間後の寝る時間に眠気を促してくれます。
◆< トリプトファン>を多く含む食品
(100g中に含まれる量。単位/mg)
油揚げ:350㎎
サバ(焼き):350㎎
紅鮭(焼き):310㎎
牛肉(肩ロース赤身/生):200㎎
ベーコン:140㎎
鶏卵:180㎎
牛乳:50㎎
ヨーグルト:48㎎
プロセスチーズ:290㎎
ゴマ: 370㎎
サニーレタス:20㎎
ほうれん草(ゆで):51㎎
バナナ:10㎎
アボカド:34㎎
くるみ:200㎎
~摂取量の目安~
1㎏の体重に対して2㎎程度
(例:体重60㎏の方なら120㎎)
◆ < ビタミンB6>を多く含む食品
(100g中に含まれる量。単位/mg)
サバ: 0.51㎎
うるめいわし: 0.52㎎
バナナ: 0.39㎎
さつまいも: 0.28㎎
赤ピーマン: 0.37㎎
青ピーマン: 0.19㎎
アボカド: 0.32㎎
味付け海苔:0.51㎎
ごま: 0.6㎎
~摂取量の目安~
18歳以上男性で1.4㎎、女性で1.2㎎鮭 : 35㎎
朝食にお勧めの食べ物
●<和食>の場合
ご飯・納豆・味付け海苔・ 目玉焼き・焼鮭 など
●<洋食>の場合
パン・目玉焼き ・牛乳やヨーグルト・バナナ・サラダ など
夕食と睡眠
●寝る3時間前までに食事を済ます
快眠のためには就寝の3時間前までに食事を済ましておくのが理想です。
食事をしてお腹がふくれると、眠くなります。
これは、「満腹ホルモン」と呼ばれるレプチンの働きによるものです。
“レプチン”は本来,
満腹感を脳に伝えて食欲を抑制し、食べたものを消化するために胃腸を忙しく働かせる作用があります。
ですから、
満腹の状態まま眠ってしまうと
脳や体(消化)は休むことなく働いている為、浅い眠りになってしまうのです。
●炭水化物は少なめに
夕食に炭水化物を多くとると、
睡眠中の成長ホルモンの分泌を抑制させる為、疲れが十分に取れません。
夕食におススメの栄養素
◆<たんぱく質>
成長ホルモンの分泌を促すのはたんぱく質の摂取が必要になります。
~多く含まれる食品~
納豆・豆腐・卵・鶏ささみ・魚・牛もも肉・チーズ・えび・いか・ツナ缶
◆<食物繊維>
食物繊維は
「不溶性」と「水溶性」の2種類があり、
2 : 1 の割合で摂取するのが理想です。
~不溶性食物繊維の多い食品~
大豆・さつまいも・ごぼう・ブロッコリー・切り干し大根
~水溶性食物繊維の多い食品~
海藻類・キノコ類・バナナ・りんご
遅い夕食の場合
そうは言っても、空腹でぐっすり眠ることが難しい時や、帰宅時間が遅く食事が遅くなりこともあります。
そういう場合、
比較的消化が良く脂肪分が少ない食事 をお勧めします。
「腹八分目」を心がけましょう。
~消化の良い食べ物~
・白身魚
・はんぺん
・鶏肉
・豆腐
・ジャガイモ
・バナナ
・りんご
・牛乳
・柔らかく煮た野菜
・雑炊
~消化の悪い食べ物~
・そば
・ラーメン
・さつまいも
・脂ののった魚
・脂の多い肉
・イカ
・タコ
・貝類
・揚げ物
・繊維質の多い物(ごぼう・キノコなど)
寝る前の飲み物について
温かい飲み物お飲むことで、内臓から体温上昇を促すので、睡眠前のリズムをつくるのにおすすめです。
安眠効果を高めるためにノンカフェインのものを選びましょう。
寝る前のお勧めの”3つ”の飲み物
◆<カモミールティー>
カモミールティーは心身をリラックスしてくれる香りが特徴で、 不眠症対策に良いと言われています。
交感神経から副交感神経優位へ切り替えるときにとても効果的とされています。
◆<ホットミルク>
ホットミルクに限らず、身体を適度に温めてくれるホットドリンクを飲むことは安眠のために有効です。
◆<薄味のコンソメスープ>
お腹がすいて眠れない時は、薄味の具材が少ないスープがお勧めです。
◆寝る前に悪い飲み物
<カフェイン>
睡眠を妨げます
<アルコール>
寝つきを良くするように思われがちですが、浅い眠りになってしまい、睡眠の質を下げます。
<甘い飲み物>
血糖値が上がり、睡眠を妨げます。
夏の睡眠について
夏は暑さで寝苦しく、良質な睡眠がとりにくくなるので、扇風機やクーラーを活用して、空気の流れを作ると良いです。
その場合、風が直接当たらないように気を付けなければなりません。
扇風機は壁に風が当たるようにして空気を循環させましょう。
クーラーは、温度設定は28℃くらいにして、冷やしすぎないことも大切です。
できれば、寝室の隣の部屋のクーラーをつけて、寝室のドアを開けたままにし、冷気を入れるようにするのが一番良い方法です。
睡眠時間が短いと肥満になる?
睡眠時間が短いと、ホルモンバランスが乱れることで眠りの質が下がります。
これは肥満につながるとも言われています。
その他、睡眠不足を解消すると血糖値や生活習慣病の改善にもつながるなど、睡眠は健康と関係が深いです。
まとめ
睡眠と食事には深い関係があり、健康で過ごすためにも大切なことです。
まずは、朝食を意識することから始めるとリズムが整いやすくなるのでお勧めです。
そして、夕食が遅くなると分かっている時は、途中でおにぎりやスープなどを口にして、夜遅くにドカ食いを防ぐ工夫をすることも大切です。