魚料理といえば、面倒!というイメージがあり、「焼くだけ」など、調理法も偏りがちになります。
でも実は、 「魚の煮つけ」は短時間で簡単に出来るのです。
そんな、「魚の煮つけ」の簡単で美味しい作り方を知って、食生活にもっと魚を取り入れてみませんか。
「魚の煮つけ」の勧め
魚から摂取しやすい”EPA・DHA”は、加熱では失われないのですが、油とともに落ちてしまいます。
ですから、 効率的に摂取するのであれば、「煮つけ」にして煮汁とともに食べると良いです。
煮汁を食べるためには、薄味を意識して作ることも大切です。
「魚の煮つけ」簡単・時短で作る方法
①魚の下処理
ウロコや内臓が取り除いてあるので、切り身を買うのがお勧めです。
①皮目に包丁で切れ目を入れる
②熱いお湯をかけまわす
こうすることで、短時間で火が通りやすくなり、臭みを取ります。
②煮汁の基本 4:1:1:1
煮汁の基本の調味料の割合は、
水4、酒1、醤油1、みりん1、砂糖0.5(好みで)
この割合で、魚が半分ほどつかるぐらいの量の煮汁を作ります。
③鍋は魚がちょうど収まるものを使う
鍋が大きすぎると、短時間で魚に火が通りにくくなります。
④煮汁が沸騰してから魚を入れる
ふっくら仕上げるためには、短時間で調理することが大切です。
そして、 水から煮ると、魚の生臭さが煮汁に流れ出してしまいます。
⑤落し蓋をする
落としぶたをして、火加減は強火で5分が目安。
落としぶたをすることで、煮汁が鍋の中で対流し、全体に火が通りやすくなります。
⑥煮汁だけ好みの濃さまで煮る
5分を目安に魚に火が通ったら、魚を鍋から取り出してお皿に盛ります。
その後、煮汁のみを少し煮詰めて好みの濃さに仕上げてから、魚にかけます。
食べる時に、魚を煮汁につけながら頂きます。
魚は煮るほど味が染みる?
魚は煮るほど中まで味が染み込むわけではありません。
20分くらい煮れば、魚の表面に色が付いて味が染み込んだように思いますが、実は中までは染み込んでいないのです。
それどころか、煮る時間を長くすることで、うま味成分が逃げ出し、身がパサパサになってしまいます。
煮ごこり
(にこごり、煮凝り)
煮こごりとは、ゼラチン質の多い魚肉などの煮汁が冷えてゼリー状に固まったもののことです。
「煮こごり」の元はコラーゲンです。
コラーゲンの多い魚ほど、「煮ごこり」が出来やすくなります。
コラーゲン
コラーゲンとは、
細胞の組織と組織をつなぎ、肌のハリ、爪や髪の毛のツヤを保ったり、関節や骨を若々しく保ったりする役割を果たすタンパク質です。
健康にも美容にも欠かせない成分です。
煮ごこりの作り方
① 残った煮汁に水溶きした少量のゼラチンまたは寒天を加え、よくかき混ぜる
②容器に流し込んで粗熱をとり、冷蔵庫で一晩保存する
③翌日には「煮こごり」が完成
<煮ごこりが出来やすい魚>
・アナゴ
・ハモ
・カレイ
・ヒラメ
これらの魚はコラーゲンが多いので、ゼラチンや寒天を加えなくても、冷蔵庫で煮汁を一晩おいておけば、「煮ごこり」ができます。
<煮ごこりが出来にくい魚>
・アジ
・イワシ
・サバ
煮ごこりの注意点
濃い味付の煮汁が固まった「煮ごこり」は、塩分あるいは糖分の取りすぎになるので、注意してください。
煮ごこりまで全部食べる際は、少し薄味を意識すると良いです。
煮こごりの食べ方
①冷えた「煮こごり」をアツアツご飯にのせて、溶かしながら食べると美味しいです!
②「煮ごこり」を温めて、茹でたきぬさや、枝豆、椎茸などを加え、“寄せ”にすれば、残り物がおいしい一品になります。
③「煮ごこり」を、 豆腐の上に刻みねぎやおろししょうがと一緒に乗せて食べるのも、とても合います!
まとめ
魚には、脂質異常症や血栓症によいとされる 「オメガ3系脂肪酸」が豊富に含まれており、「心臓の健康面で有益」と言われています。
しかし魚の栄養素の中には熱に弱かったり、油に溶け出しやすかったりするものもあります。
魚の煮つけは、煮汁に流れ出た栄養素を一緒に食べることができます。
魚の煮つけはとても簡単で、短時間でふっくら美味しく出来るので、ぜひ取り入れてみてください。
「魚介類の栄養」について詳しい記事はこちら⇒⇒⇒https://yuzu39.com/wp-admin/post.php?post=1107&action=edit