筋肉の量が減ると、転倒したり、病気にかかったりするリスクが増えます。
また、筋肉量が多いほど長生きできることもわかってきました。
筋肉と健康についてや、食事や生活に密着した運動のコツについてもご紹介します。
是非、参考にしてみてください。
筋肉と健康
筋肉を鍛えることで、成長ホルモンの分泌が活発になり、内臓や器官、新しい皮膚や筋肉・骨を作り、免疫力を高めます。
また、視力も向上し、認知機能も上げるなど新陳代謝が活発になります。
そして、若返りホルモンも分泌され、体を活性酸素から守り、細胞の再生力を高めるなどの働きをしてくれます。
筋肉の種類
筋肉は、大きく分けて3つの種類に分かれます。
● 骨格筋
腕や脚の筋肉、腹筋、背筋などで、体を支え、動かす役割を担っています。
自分の意志で動かすことができます。
運動で鍛えることができるのが、この骨格筋です。
骨格筋は筋繊維というゴムひものような細長い細胞が集まったもので作られています。
~「速筋」と「遅筋」~
筋繊維は大きく分けて「速筋」と「遅筋」の2種類があります。
<速筋>
すばやく収縮する事ができる筋肉で、一瞬の力を発揮するときに使われます。
しかし、大きな力を発揮する反面、持久力がなく疲れやすい筋肉です。
<遅筋>
ゆっくり収縮する筋肉で、強い力を発揮することが出来ません。
しかし、一定の力を長時間発揮する持久力があり疲れにくい筋肉です。
●平滑筋
血管や内壁の壁にある筋肉で、血液を運んだり、胃腸を動かしたりする働きをしています。
●心筋
心臓だけにある筋肉で、心臓の壁を作り、心臓を動かしています。
筋肉の役割
①からだを動かす・安定させる
私たちが活動できるのは、筋肉が動くからであり、筋肉が存在しなければ歩くこともできません。
また、身体の中で動いている組織や器官も、筋肉が動かしており、すべて筋肉の収縮が原動力になっています。
人間は、常に重力の影響を受けており、体を支えるだけでも多くの筋肉を必要とし、力を出し続けています。
②外部の衝撃からカラダを守る
筋肉は骨や内蔵などを衝撃から守るという役割を担っています。
転倒した際にも筋肉があるのとないのとでは骨折の頻度が違うのは一目瞭然です。
また、筋肉で覆うことによって、血管や臓器も守っています。
③熱を作る
筋肉はエネルギーを使って熱を発生しています。
筋力トレーニングによって筋肉が増えると、この熱の発生量(基礎代謝)も増え、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防にもつながっていきます。
④循環機能の補助をするポンプの役割
筋肉が強い力を発生するとき筋肉内部の圧力が高まり血液が絞り出されます。
逆に、力をゆるめると筋肉のなかに一気に血流が流れ込みます。
このように、収縮と弛緩を繰り返すことでポンプのような働きをし、血液の循環を助けています。
この重要な役割を果たすのが、ふくらはぎの筋肉であり、その働きから「第二の心臓」とも呼ばれています。
筋肉が減ると?
サルコペニア
~サルコペニアとは?~
加齢や生活習慣などの影響によって、筋肉が急激に減ってしまう状態です。
~サルコペニアになると~
・歩く速度が低下する
・転倒・骨折のリスクが増加する
・着替えや入浴などの日常生活の動作が困難になる
・死亡率が上昇
~サルコペニアの診断方法~
筋肉量・歩行速度・握力を測定して行います。
~自己チェック~
・歩くのが遅くなった(横断歩道を渡りきれない)
・手すりにつかまらないと階段を上がれない
・ペットボトルのキャップを開けにくくなった
当てはまる場合は、筋肉を増やすよう、運動や食事など生活習慣を工夫することが大切です。
筋肉が減ると起こること
<免疫機能の低下>
肺炎や感染症にかかるリスクが高まると言われています。
<糖尿病のリスク>
筋肉の量が減ると、糖をためておく場所が少なくなるため、糖を調節する力が低下して血糖値が変動しやすくなり、糖尿病になる可能性が高まります。
<脱水症状>
人間の体の中で、最も大量の水分を保持しているのは、実は「筋肉」です。
筋肉が少ない人は水を飲んでも体に貯めておくことが難しく、脱水症状を起こしやすくなるのです
<脳の細胞が減る>
足と脳は深く連動しており、足が刺激されると脳神経が発達することが分かっています。
筋肉を失うことは、脳の神経細胞も失うと言われています。
筋肉を増やす食事
◆たんぱく質
しなやかなカラダを作るには、運動に加え“食事を整える“ことも重要。特に、筋肉の材料である “たんぱく質”は、柔軟性のある質の良い筋肉を育てるために不可欠です。
効率よく筋肉を作るには、“必須アミノ酸”をバランス良く含む”良質たんぱく質食品“を摂ることが重要で、
”お肉・お魚・大豆製品・卵・乳製品“
がこれに該当します 。
「たんぱく質の不足しない取り方」について詳しい記事はこちら⇒⇒⇒https://yuzu39.com/protein/
「納豆の美味しい食べ方」について詳しい記事はこちら⇒⇒⇒https://yuzu39.com/natto/
たんぱく質は単一では働けません。
代謝をサポートする4つの栄養素を一緒に摂ることで利用効率が高まります。
①ビタミンB6
筋肉をはじめ、細胞や神経伝達物質の合成などに働きます。
<食材>
牛レバー/鶏ささみ/マグロ/カツオ/にんにく/アボカドなど
②亜鉛
数100種類以上に及ぶ酵素の補酵素。たんぱく質やDNAの合成、細胞の新陳代謝に関わります。
<食材>
魚介類(牡蠣・あさりなど)/肉類(特にレバー)/大豆製品/わかめ/種実類(ナッツやごま)
③炭水化物
エネルギーが不足すると、筋肉を分解して不足分を補います。
つまり、筋肉量が減り、代謝が落ちやすくなるということ。筋肉量を維持しつつ脂肪燃焼したいなら、“炭水化物を適量摂る”ことが大切です。
<食材>
ごはん/うどん/芋類/豆類/果物
④ビタミンD
体内の機能性たんぱく質の働きを活性化させることで、 血中カルシウム濃度を一定に調節にして、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがあります。
<食材>
うなぎ/しらす干し/鮭 /マイタケ/キクラゲ
筋肉と運動
長い期間鍛え続けた筋肉はなかなか減りませんが、一気に集中してつけたような筋肉はあっという間に落ちてしまいます。
毎日少しづつでも続けることが大切です。
日常生活での取り入れ方
・布団の上げ下げ、拭き掃除などの家事
・和式トイレの使用
・階段の上り下り
(特に階段ゆっくり下りると、普段使われない筋肉が鍛えられます)
・買い物は徒歩
・背筋を伸ばして足を閉じて座る
・バランスボールを椅子代わりにする
家でも簡単にできる運動についての記事も参考にしてみてください。
※「簡単な運動」についてはこちら
⇒⇒⇒https://yuzu39.com/stretch2/
⇒⇒⇒https://yuzu39.com/kinryoku/
※「仕事中にもできる簡単ストレッチ」についてはこちら
⇒⇒⇒https://yuzu39.com/stretch/
運動を行う際のポイント
数を数えながら行うと、自然に呼吸ができ血圧が上がりにくくなります。
運動のあとにコップ1杯の牛乳や豆乳をとるなど、運動と併せて栄養をとることも効果的です。
まとめ
筋トレは、わざわざ時間をとらなくても、日常の中で意識することで随分変わります。
家事も筋肉を意識しながら行うと一石二鳥です。
そして、テレビを観ながらでも簡単な筋トレをすることを習慣づけて、毎日コツコツ行うことが大切です。